|
||||
本作は好き・嫌いで言ったら好きだが一押しではない。 本作が出た当時、友人の辛辣なコメントに対し「いいと思うんだが」といったのは正直間違いだと言わざるを得ない。 言い訳をさせてもらえば1発目の飴が美味しすぎたから、ということになる。 今でも出掛けに車中で聞くアルバムを選ぶときAutumn Skyを選ぶことがよくある。Highlandを聞くためだ。この曲だけなら何処へでも、誰にでもブラックモアズ・ナイトの曲だよと薦めることができるがアルバムを通してとなるとそうもいかない。 楽曲、演奏、構成、どれも不可はない。しかし何か足りないと感じた。それは直に明らかになった。本作はカバーが多すぎるのだ。ブラックモアがもつ毒が足りないのだ。 リッチーが他人の曲を実に生き生きと演奏し、素晴らしいアレンジをするのは多くのファンの知るところとなっている。カバーの多い本作が駄作の訳がない。 しかし、ことブラックモアズ・ナイトのアルバムと考えるとブラックモアが新たに書いた曲が少なかったことは自身のアイデンティティをかすめているように思えてならない。 悪くとらえれば、これはブラックモアズ・ナイトのアルバムではなくリッチーとキャンディスによるコンピレーション・アルバムといわれても仕方がないのではないか。 本作の楽曲・演奏が素晴らしかったので尚更リッチー自身による新曲をたくさん収めてほしかったとつとに思った。ブラックモアズ・ナイトのアルバムにはやはりBlackmore’s Poisonが必要である。 |
||||
|
||||
前作からおよそ3年、待ちに待ったブラックモアズ・ナイトの新作です。今作は聞く前からそのジャケットにうならされます。中世を思わせるムーン・フェイス、ブラックモアズ・ナイトでのキャンディスを思わせるジプシー・ダンサーのシルエット、そして中世絵画のような背景図。ブラックモアズ・ナイト史上最高のジャケットではないでしょうか。聞く前から本作には期待感をあおられてしまいます。 内容はというと前作からの流れを引き継ぐもので安定感の増したブラックモアズ・ナイト・ワールドを展開しています。いい意味でこてこてのタイトル・チューンDancer And The Moonをオープニングにもってこないあたりブラックモアズ・ナイトがGhost Of A Roseの頃よりも一皮むけた形として形成しつつあるのではないかと感じます。 全体としてエレキギターの割合が増え(といってもハードロックのような形ではありませんが・・・・・)マンド属のサウンドが減った(抑えられた?)為、ポピュラー色が強くなっています。それゆえかタイトル・トラックも含め、Somewhere Over The SeaやThe Moon is Shinningといった曲は秀逸でリスナーを引き込みます。 そして何と言ってもラストを飾るCarry On…Jon。 今は亡きリッチーの盟友、ジョン・ロードに捧げられた曲です。ポップ色というアルバムカラーのおかげもありこのエレキギターによる秀曲が違和感なくアルバムを閉めています。 なお初回限定盤にはリッチーとキャンディスのインタビューDVDがパッケージされます。 The Spinner’s Tale、Somewhere Over The Sea、The Ashgrove、Queen For A Dayの部分演奏ではありますがキャンディスとリッチーによるアコースティック演奏が楽しめます。 マニアならば押さえておいてもいいのではないでしょうか。 |
||||
戻る|ページ: 1 2 3 4 5 6 |次へ | ||||
|
||||