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2006年11月、この年2枚目となるニュー・アルバムが発売されました。ベストアルバムが発売された2001年とは違い、完全な新譜ということでファンには嬉しいプレゼントとなりました。 当作、「Winter Carols」はクリスマス・アルバムという形で特別にリリースされたものです。3曲目のWish you were here(Red Nex)と11曲目のChristmas Eve(Blackmore's Night)を除けば完全なトラディショナル・ソングで占められています。実はこのアルバムには布石があり、日本でオリジナル編集のベスト盤、All For One - Finest Collection - が発売される少し前、アメリカ、ヨーロッパで発売されたベスト盤「Beyond The Sunset - Romantic Collection」(日本盤とは全く選曲は違う)のおまけとして封入された3曲入りクリスマス・ソングCDにこのアルバムに収められているEmmanuel、We Three Kings、Christmas Eveが収められていたのです。クリスマスを愛し、毎年パーティを開催するというRithcieとCandiceがこうしたアルバムを発売するのに時間はかからなかったでしょう。惜しむらくは先の3曲に対して新録の曲が若干オーバー・プロデュース気味でクリスマス・ソングというトラディショナルという雰囲気、冒頓さが薄れてしまっているという点です。(先の3曲には律した、小さな美しさがあります) “音を減らす”という手法、RitchieとCandiceだけ(に近い)という形態でも面白いのではないかとも思えます。しかしながらBlackmore's Nightがこうしたコンセプト・アルバムを発表してくれることはうれしい限りです。今後もこいうした身近なアルバムを発売してもらいたいとも思います。 200611月29日:R&Cよりリリース |
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もうすぐブラックモアズ・ナイトの新作「Dancer and the Moon」が発売される。今日は2013年5月2日、Secret
Voyageの発売からおよそ5年も過ぎてからのレビューである。 このアルバムのせいで私のレビュー・スタイルが崩れた。“聞き込む前、初めて聞いたときの感想を書く”そう思ってきたし、今もそのスタンスが間違っているとは思わない。しかし5年、聞き込んでしまったことになる。 今現在、このSecret Voyageはブラックモアズ・ナイトのアルバムの中でも最高の部類に入ると思っている、いや、最高だと書いてしまおう、5年も経ったのだから。 初聞以来“このアルバムには何かある”と思続けてきた。それをそのままレビューにできなかったのは今思えばただちにこれを最高傑作といってよいかという葛藤だったように思う。それについてはまた別所で懺悔しようと思う。 それでは本作について。 オープニングはインストゥルメンタル・ナンバーで始まる。その曲がまず素晴らしい。トラディショナル・ソングをベースとしているとはいえ、あまりにも繊細で美しい曲とアレンジ。導入曲といったものではない。この曲自体が輝きをもっている。 こういった曲をリッチーが書いたこと、ギタリストである彼がギターの無い曲(大意)を1曲目に持ってきたことに感動した。意気よし、出来よしのナンバーだ。 2曲目のLocked Within The Crystal BallはGod Save The Kegの名曲に導かれたことに臆することのない出来、パワーと躍動感のある名曲だ。この2曲によるライブ・オープニングに敵うものができるのだろうか?ドラマチックな展開と8分を超える演奏内容を知るにつけ、リッチーのロック・サイドしか支持しない人たちにどんな言い訳があるのか聞いてみたくなる。 私がなぜこれほどブラックモアズ・ナイトにはまってしまったのかはわからない。しかしもはやそれは決定的である。本作にはリッチーのロック時代の曲Rainbow Eyesがフィーチャーされている。先のロック・サイドのリッチーしか支持しない人たちのみでなく、私の友人、知人からも酷評を浴びたこのナンバーではあるが、私は本バージョンの方が格段にいいと感じる。リッチーがロックをやっていた時代、レインボーというバンドの同曲を、私は1度もいいと思ったことがない。 だが本作に収められたRainbow Eyesはそれだけを取り出して聞くことがあるし、それくらい気に入っている。オリジナルを超えたセルフ・カバーだと思える。 またそれでも納得しないロック・ファンはThe Circleを聞くべきだ。近年にあって至極のストラトでのソロを堪能できる。 Far Far Awayを最後の曲、Empty Wordsの一つ手前に持ってきたのはリッチーなのだろうか?はかなく淡い、繊細で純粋。ラストに導くにはこれ以上の無いほどの曲。私はこういった曲でのキャンディスの歌い方が一番好きだ。リッチーに群がる阿呆達は彼女からこういった歌い方を奪おうとしているけどね。 そして最後のEmpty Words。ギターと歌だけがクローズアップされたシンプルでとても美しい曲。そしてこの曲のメロディは1曲目のGod Save The Kegのそれである。 ・・・・君はこれでも涙しないのだろうか? 2008年6月27日:SPVより世界に向けて発売、しかし日本での発売はありませんでした |
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