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1997年4月、Blackmore's Nightは彼らのファーストアルバムである「Shadow Of The Moon」をリリースしました。Ritchie
Blackmoreは長年の夢であったルネッサンス音楽を基調としたモダン・ミュージックを具現化させたのです。全編を通してルネッサンス音楽からの影響が強く現れています。十分時間をかけて熟成されてきた楽曲は十分にプロデュースされてとても理路整然とした、規律のようなものを感じます。それがまた彼らのルネッサンス音楽へのこだわりをより一層強く感じさせます。そしてルネッサンス音楽を厳格になぞっているにもかかわらずアコースティック、エレキギターという現代の楽器をメインに据え、古楽器の割合が少ない点がこのアルバムを極上のモダン・ルネッサンス・アルバムにしています。 これから始まるルネッサンスドリームを象徴するがごとき「shadow of the moon」の導入部に導かれ完全にルネッサンス音楽を思わせる「clock ticks on」が始まるころにはもうすっかり彼らの世界に入ってしまいます。しかしなんといっても秀逸なのは「Renaissance Faire」でしょう。個人的には今もって彼ら、そしてRitchieの最高傑作だと思っています。もはやこの日本では感じることのなくなった朴訥とした純粋な楽しさ、広がり、開放感、それでいてこのアルバムのコンセプトを外れることのない・・・・いや、このカテゴリーで最高といえる楽曲になっていると思います。これほど突出していながらアルバムを散漫な印象にしていない点がまたこの楽曲、またはこのアルバムの如何に優れているかを象徴している部分だと思います。もしあなたが純粋なルネッサンス音楽、またはフェアー・ミュージックを好きならばぜひ聴いてみてください。きっとお気に入りのアルバムになるはずです。 1997年4月23日:BMGビクターよりリリース、2002年2月20日:ポニーキャニオンより再発 |
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1999年およそ2年ぶりに発売された彼らのセカンドアルバムです。第1作目がRitchieの夢の具現化であったので珠玉を磨くがごとき美しさであったのに対し2作目は風景を眺めるような美しさで占められています。・・・・わかりにくいですか?(笑) 1作目がひとつの世界を現していたのに対し、2作目はより広い世界を表現しようとしています。ライナーノーツなどを見ますと「世界紀行」になぞらえて世界各国の音楽が取り入れられたことが書かれています。それらの音楽は各地に伝わる民謡がほとんどで1作目にあった朴訥さ、牧歌的な雰囲気が更に広がっています。それでいて散漫な印象を受けさせないのはさすがです。わたくし個人的には一番好きなアルバムであるといえます。録音レベルも高めで、勢いのある「Under
A Violet
Moon」(この曲はライブにおいて勢いのある曲が必要だということで書かれたもので初ライブのときから披露されていました)から始まりRitchieのかつての曲である「Self
Portrate」までさながらライブでも聴いているような曲構成になっています。1作目の様式めいた厳格さは薄れましたが彼らのステージ衣装を見ると中世風ではありますがあくまで貴族ではなく吟遊詩人であることからもこれこそが彼らの進む道なのだろうと思います。 1999年4月21日:ポニーキャニオンよりリリー |
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